2008年02月14日
最近読んだ本(2)「かえっていく場所」
うどんカフェによく来てくださるお客様が、椎名誠さんの本の編集をされているという話を聞いていたからだと思うのだけど、電車の時間待ちの間書店をぶらついていたら、椎名さんの本の背表紙が私の眼にビゅーーーンと飛び込んできました。それが、この本。
椎名さんが若くて、私がもっと若いころ、椎名さんの私小説的な本を、通勤電車の中で笑いをこらえながら、読んでいた記憶があります。テレビドラマになった作品もあって、欠かさず見てました(記憶に間違いがなければ)。
この本のあとがきを書いておられる、編集者の女性が、私と年が近くて、若いころ「雲の上の存在」だった、椎名さんの思い出から話を起こします。最後には、飲み会で最近会った椎名さんに「ノブコ、お前いくつになった?」と聞かれたと言うのだけど、なんだか本を読んでいる私の背中から、椎名さんに同じこと聞かれた気がしました。
そんなことを思いながら読んだ、おじさんになった椎名さんの日々。ご夫婦が同じペースで年をとり、子どもたちは、このお父さんとお母さんを見て育ったからだよね、と思える大人になって、その年月の積み重ねの上にお互いを思いやってる、という感じが、しみじみとよかったです。我が家は、まだまだ長い道のりです。しかも年の差夫婦なので、「年」や「老い」という感覚が、微妙にわからないのです、私には。
椎名さんは、こんな生活、こんな仕事をずっとやっていくのだろうか。マスターはいつまでうどんを打つのだろうか。私たちは、どこにかえっていくのだろう。
ところでね、最初に書いたお客様なのだけど、なんと、この本の中に登場していて、びっくりです。違う名前になっていましたが、ぜったい、間違いなしです。ご家族の雰囲気もぴったりだし。
椎名さんはお仕事がら、いろいろなところに取材旅行に行かれてしますが、この本の中で一番印象深かったのは、スコットランドの海辺でバイオリンを弾く女性のところにアザラシが集まってきて、じっと聞いているというところ。
目をつぶって想像してみて。
ちょうど、スコットランドの木村あきこさん(町田在住の時はおうどんを食べに来てくれていました)から原稿と写真が届いたところでした。いつもきれいな風景に、心を奪われます。近々アップできると思います。


